L.T.homes|湿度調整と温熱環境を研究した家

NEW POST

住宅コラム

気密って大事なの?

前回は「高気密・高断熱の家」で欠かせない、「断熱」について詳しく触れましたので、今回は「気密」について詳しくご説明します。

断熱についてはこちらの記事をご覧ください。

気密とは

突然ですが問題です。

穴の開いたバケツに水を溜めるには

こちらの画像のように穴の開いた画像に水を入れても、穴からどんどん水が流れ出て水を溜めることができません。

バケツに水を溜めるためにまず先にすべきことは、穴をふさぐことです。
穴をしっかりふさげば、水が穴からこぼれることなく溜めることができますよね。

ではバケツが家、水道が暖房、水が暖かい空気だと考えてみてください。

どんなに断熱をしっかりしても気密が確保されていなければ、せっかく冷やした空気や暖めた空気が外に漏れ出てしまいます。

一つの例を挙げると、農業等で使われるビニールハウスをみれば気密の大切がわかります。

気密の確保されたビニールハウス

ビニールハウスには、断熱材はありませんよね。

それでも内部の温度を一定に保てているのは、気密がしっかり確保されているからです。

しっかりと気密が確保されているおかげで、冬でも内部は春の様に暖かく保てるので季節問わずさまざまな果物や野菜を育てられます。

気密と断熱

次に気密と断熱の重要性についてです。
みなさんは魔法瓶のスープジャーや水筒を使ったことはありますか?

スープジャー

冷たいものは冷たいまま、温かいものは温かいままに長時間保温してくれる魔法瓶は便利ですよね。

これは魔法瓶の中の熱が外に逃げていかないように、しっかりと気密が確保されているため長時間内部の温度を保温し続けられているのです。

そんな魔法瓶ですが、蓋を開けたまま置いておけばどうなるでしょう。

ふたの開いたスープジャー

蓋を占めている時と、開けた時で魔法瓶の機能は変わりませんよね。

しかし、蓋がきちんと閉まっていなければその性能は発揮されません。

蓋が空くことでできた隙間から熱が逃げ、短時間の内にぬるくなってしまいます。

これが気密と断熱が大切だと言われる理由です。

魔法瓶やビニールハウスの原理は家にも同じことが言えます。

どんなに断熱材にお金をかけても、どんなに性能の良い断熱材を入れても、隙間が空いていたらそこから熱が逃げてしまいます。

コンセント部分が欠けた断熱材

なぜこのようにコンセントや電線を避けて隙間を開けて施工されているのでしょうか。

それは、電線等を断熱材の中にいれてしまうと、電線が発する熱が断熱材の中でこもってしまい、発火等のおそれがあるからです。

断熱材の中に電線が埋めこまれていないため、発火などのリスクは避けられますが、気密を確保することはできていません。

これではせっかくの断熱が意味をなさなくなってしまいます。

ではどうすればよいのでしょうか。

基礎から壁、天井までしっかりと包みこむように気密を確保します。

こちらは気密がしっかりと確保された住宅の断熱施工後の写真です。

きちんとした気密を確保するためには、このように基礎から壁、天井まですべてを包み込むように断熱をすることが大切です。

そうすることで、気密が確保され、断熱材の性能が最大限に発揮されます。

コンセントや電線周りもしっかりと断熱し、気密を確保するためには、コンセントや電線などを管の中を通すように施工し、断熱材を吹きつけることで、発火のなどのリスクをなくせます。

コンセント周りもしっかり断熱し、気密を確保

エル・ティー・ホームズでは、断熱材の吹付前に電線などは管を通して断熱材と触れ合わないように施工していいます。

気密が取れないとどうなるのか

もし、気密が取れてない家を作ってしまったらどうなるのでしょうか?

1970年に起こったナミダダケ事件と呼ばれる事件がその代表的な例ではないでしょうか。

ナミダダケ事件とは

北海道で高断熱住宅が登場した1970年代後半、壁内部の結露が原因で住めなくなった住宅が数多く出ました。

たった3年程度という短い期間に壁内結露が発生し、ナミダダケと呼ばれる木材腐朽菌が繁殖し、早々に家を腐らせてしまったのです。

ナミダダケ菌糸の例

ナミダダケは土台を腐らせるので、床が抜ける事案が大量発生したのです。住宅に基礎がないようなものです。

なぜこのようなことが起こったのでしょうか。

それはオイルショックによって原油価格等の急上昇が起こり、住宅の冷暖房費を抑える『高断熱化』を促し、断熱材をそのまま壁の中に押し込むような施工がなされたからです。

暖房で暖められて湿気を含んだ空気は、壁や床下に詰め込まれていたグラスウールの中に侵入し、侵入した空気が冷やされ躯体の内部で結露します。

水と木と空気があれば腐朽菌は繁殖してしまいます。
このように躯体内部での結露を防ぐためには、断熱材に湿った空気を入れないことです。


ナミダダケ事件は気密がいかに重要であるかを知らしめた出来事となりました。

気密が確保されないことで、快適な家づくりの根幹自体が崩れてしまいます。

このような事件を乗り越えて、現在の北海道の家づくりは気密に関して、長野県と違い日本で一番進んだ知識・施工力があります。

エル・ティー・ホームズは、その本場の北海道仕様を見ているので、高気密・高断熱が確保された快適な家づくりをしています。

エル・ティー・ホームズのホームページはこちら

RELATED

PAGE TOP

理想の家づくりのための「お家づくり1日体験」を無料開催しています。

プロの目線から理想の間取り、土地を探して、計画を組み立てていきます。
希望の土地に家を建てたときに生じる問題点や、プロにしかわからない見えない金額も部材一本まで計算して、計画のプランがどれくらいの金額とスケジュールで建築~引っ越しができるかをご説明いたします。
※リフォーム・建て替えなどもお気軽に相談ください!
お家づくり体験のご予約はこちら→