トレーラーハウス車検 | 費用、頻度、手続きまでマルっと解説

トレーラーハウスも車検って必要?



車検にかかる費用や手続き、頻度は自動車と同じ?
トレーラーハウスを購入する前に、このような疑問を持っている人もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、トレーラーハウスは大きさによって車検の有無が変わります。
また、車検の依頼先も様々あります。
トレーラーハウスが公道を走行するには、自動車と同じように車検を通さないといけない法律があります。



そのため知らないと罰則を課せられる可能性があり注意が必要です。
本記事では、トレーラーハウスの車検の費用や依頼先、頻度などを解説します。
購入する際のイメージを固めつつ、トレーラーハウスの車検について確認しましょう。


執筆者:たけうち
元金融マンだったL.T.ホームズの広報担当です。
趣味はゴルフとアニメ。
宅地建物取引士、FP2級、住宅ローンアドバイザー資格保持者。


トレーラーハウスの車検は必要?
トレーラーハウスは、大きさによって車検が必要かどうかが変わってきます。
それは、道路運送車両法の保安基準第2条に基づいて、法律で決まっているからです。
参考:国土交通省 道路運送車両法の保安基準【2023.9.22】第2条(長さ、幅及び高さ)



どのタイプのトレーラーハウスが車検が必要なのか、ナンバー登録の有無で何が変わるのかを解説します。
そもそも車検が必要なトレーラーハウスとは?
道路運送車両法に定められている基準とは、以下の基準を超えないものが車検の対象です。
以下の基準を超えないもの=車検の対象
- 車幅2,500mm
- 車高3,800mm
- 車長12,000mm
車検を受けると、登録証とナンバープレートが交付されます。
そうなれば、移動式の住まいとして、自由に公道を走ることができるのです。
車検を取得する場合には、自動車に関する税金も課せられます。
そのため、道路運送車両法ならびに税制上も、法的に「自動車」と位置づけされます。
自動車に関する税金とは、以下の4種類あります。
自動車に関する税金
- 重量税
- 環境性能割
- 自動車種別割
- 消費税



二重課税禁止の原則から、固定資産税が必要な「建築物」扱いはされません。
車検をうけたトレーラーハウスを固定設置する際、管轄する行政で事前の確認は必要ですが、設置基準を満たしていることが多いためすぐに設置できるでしょう。
車検が不要なケースもある?
基準を超えるトレーラーハウスを「大型トレーラーハウス」と言います。車検が不要でナンバープレートの交付はされません。
大型トレーラーハウスが公道を走行するには、基準緩和認定と特殊車両運行許可の2つの一時的な許可を取得する必要があります。
申請から許可までの取得が、1ヵ月〜3ヵ月の期間がかかります。
運行経路が決められ、運行時間帯が夜に指定されていることが多いため、余裕をもって進める必要があります。
そのため、大型トレーラーハウスの設置許可が自治体から得られない場合があり、車検付きトレーラーハウスよりも移動の柔軟性に欠ける部分があります。
とはいえ、車検付きのトレーラーハウスと比べると室内空間がゆったりしていて、活用できる用途の幅が広い点は大きな魅力と言えるでしょう。
さらに、車検の手間や費用がかからないことも、利点のひとつです。
ランニングコストを抑えながら、多目的に使える柔軟性が、多くの人に選ばれている理由かもしれません。
ナンバー登録の有無で変わるポイント
ナンバー登録とは、公道を走行するために、必要な車両の識別番号の取得手続きのことです。
トレーラーハウスのナンバー登録の有無は、利用目的によって異なります。
移動することを前提として使うものは、法律によりナンバープレートの登録が義務付けられています。
一方で、移動せずに決まった場所に置いて使う場合は、ナンバーを取る必要はありません。
どのように使うかによって、必要な手続きが変わってくる点は覚えておきたいポイントです。
とはいえ、設置場所の自治体によっては、設置許可や届け出が必要な場合があるので注意が必要です。
ナンバー登録は必ずしも必要ではありませんが、利用用途によっては必要になるため、しっかり考えたうえで登録の有無を決めるとよいでしょう。
トレーラーハウスの車検にかかる費用相場
車検付きトレーラーハウスには、登録後の初回車検から継続車検、手続きなどでそのたびに税金がかかります。
ここでは、基本費用の内訳や費用を安く抑えるポイントなどを詳しく解説します。
基本費用の内訳(自賠責・重量税・検査費用)
車両としての費用は重量によって異なり、内訳は、自賠責保険・自動車重量税・印紙代や基本整備料などです。
普通貨物車8トン未満の場合は、車検が初回2年、次回以降からは1年ごとの点検になります。
車検取得時や継続時に納める税金などを、以下にまとめました。
車検取得時 | 車検継続時 | 備考 | |
---|---|---|---|
環境性能割(旧:自動車取得税) | 自動車の取得価格 (課税標準額)×3% | × | 自家用自動車は原則3%の税率 |
種別割(旧:自動車税) | 登録月の月割り年額10,200円 | 年割り10,200円 | |
重量税 | 32,800円(初回2年分) | 16,400円 | |
ナンバープレート代 | 700円~ (地域により異なる) | × | |
自賠責保険 | 5,440円(初回は25ヵ月) | 5,320円(12ヵ月) |
※各種申請時の印紙代は別途かかります。
※2025年7月時点
車検付きトレーラーハウスは、車検取得時や継続時に税金を納めるほかに、車検を受ける場所までの運送費もかかります。
車検代はけして安い物ではないため、トレーラーハウスを購入前にしっかり把握しておきましょう。
キャンピングトレーラーとの費用比較
アウトドア人気で注目されるキャンピングトレーラーは、牽引式の移動型住居で、トレーラーハウスと似た特徴があります。
車検は、トレーラーハウスが初回2年・以降1年ごと、キャンピングトレーラーは2年ごとです。
トレーラーハウス | キャンピングトレーラー | |
---|---|---|
種別割(旧 自動車税) | 年額10,200円 | 10,200円(例:東京都) 年間の自動車税は都道府県によって異なる |
自賠責保険料 | 5,440円(25ヵ月契約) | 5,440円(25ヵ月契約) |
車検費用 | 5~10万円程度 | 6万円程度 |
任意保険 | 牽引車の任意保険が適応される場合が多い | 牽引時は牽引車の保険を適用(車両保険は別途必要) |
その他 | メンテナンス費は別途必要 | 駐車代、メンテナンス費もかかる可能性がある |
※2025年7月時点
トレーラーハウスとキャンピングトレーラーの税金は比較的安いと言えます。
キャンピングトレーラーは、牽引時にヘッド車の任意保険が適用されるため、追加の保険料がかからない点がメリットです。
ただし、車両保険には別途加入が必要で、その分費用が発生します。
また、駐車場が必要な点もデメリットです。
地域によって料金は異なるものの、ヘッド車と合わせて2台分の駐車スペースを確保する必要があります。
さらに、自宅から2キロ以内という制限もあるため、維持費は大きくかわります。
トレーラーハウスも同様に、牽引時は車の任意保険が適用されますが、切り離した状態での損害は補償されません。
そのため、安心を重視する方には、トレーラーハウス専用の保険に加入することをおすすめします。
万が一に備えるという意味でも、費用をかけたほうが安心といえるでしょう。
費用を安く抑えるポイント
車検の費用を安く抑えるには、業者を介さず自分自身で点検するユーザー車検がおすすめです。
通常は専門業者などに依頼して、必要書類の用意や点検整備をしてもらいますが、それらをすべて自分で行います。
専門業者に依頼しない分、車検費用は安く抑えることが可能です。
とはいえ、すべて自分で点検をするため、ある程度の整備の知識がないとユーザー点検は難しいと言えます。
書類記入もたくさんあるため、安全で確実な車検を受けるためには、業者に依頼するほうがおすすめです。
トレーラーハウス車検はどこへ出す?
トレーラーハウスの車検の依頼先は、主に以下の3つがあります。
- 自分で陸運局(運輸支局)へ持ち込む
- 出張車検サービスを利用する
- トレーラーハウスを扱う専門業者に依頼する
それぞれ、車検を受ける方法や費用も異なるため、詳しく解説します。
自分で陸運局(運輸支局)へ持ち込む場合
トレーラーハウスがナンバー付きの被牽引車両(トレーラー)なら、最寄りの運輸支局で車検(継続検査)を受けられます。
牽引車と牽引免許が必要になるので注意しましょう。
自分で、陸運局にトレーラーハウスを牽引して持ち込み車検を受けることを、ユーザー車検といいます。
この方法は最もコストを抑えられる車検方法です。
とはいえ、自動車整備士のように、点検や整備に関する一定の専門知識がない方の場合は、ユーザー車検は現実的ではないでしょう。
トレーラーハウスの整備や点検に見落としがあれば、車検に受からず、さらに安全性のリスクもあります。
陸運局に持ち込み検査場まで移動させる手配、立ち合いや各種書類手続きなど、手間や時間がとても多くかかります。
業者を通さないユーザー車検は、法定費用のみで済むため、車検代を安く抑えることができます。
しかし、安全性の面ではリスクが伴い難しいため、現実的ではないといえるでしょう。
出張車検サービスを利用する場合
地域によっては、トレーラーハウスやキャンピングトレーラーを対象にした出張車検サービスを提供している業者もあります。
出張整備で点検後、必要に応じて業者が運輸支局へ持ち込んでくれるので、大きなトレーラーハウスでも移動の手間を減らせます。
ただし、トレーラーハウスがサービス対象外のケースもあるので問い合わせは必須です。
そもそも車検への出し方がわからなかったり、時間に余裕がなかったりする人にとっては、出張車検サービスはおすすめです。
しかし、業者によりますが、かかる費用が異なるので注意が必要です。
点検や設備代、代行手数料がかかってくるので、あらかじめ調べておく方が良いです。
トレーラーハウスを扱う専門業者に依頼する場合
トレーラーハウスを専門に扱う販売店や整備業者が、陸運局への持ち込みから検査まで代行してくれるサービスがあります。
牽引車がない方や自走できない方が多いので、専門業者やトレーラーハウスを購入した会社へ問い合わせるのが現実的です。
専門業者は移動手段の手配や必要書類の用意などに慣れているため、スムーズに車検を受けられるでしょう。
また、専門業者であれば、整備に必要な部品をそろえることも容易です。
車検を行う上で、トレーラーハウスのことを熟知している専門業者に依頼することは、スムーズに車検を任せられるのでおすすめです。
トレーラーハウス車検の期限・タイミング
トレーラーハウス車検の期間やタイミングは、主に以下の3つです。
- 初回車検はいつ?登録からの年数
- 車種やサイズで変わる車検で更新頻度がかわる
- 継続車検を忘れないスケジュールを管理
詳しく解説します。
初回車検はいつ?登録からの年数を解説
トレーラーハウスの初回車検は、新規登録をしたあと、2年後に行うことが一般的です。
その後は、1年ごとに車検を受けていきます。
車と同様に保安基準を満たす必要があるため、トレーラーハウスも車検に受かると、公道を走行できます。
しかし普通自動車や軽自動車は、初回車検が3年後、その後は2年ごとの車検になるためトレーラーハウスとは違います。
車と同じように車検は必要ですが、年数のタイミングが違うため間違えないようにしましょう。
継続車検を忘れないスケジュール管理術
継続車検を忘れないようにするためには、車検証の有効期限を把握し、早めに業者に依頼して車検を受けることが重要です。
スケジュール管理は、カレンダーや手帳に記入したり、スマホのアプリでリマインダーを設定したりしておくと忘れずにすむのでおすすめです。
また、車検証をすぐに取り出せるように、保管場所を決めておくことも紛失を避けられるので困ることがないでしょう。
これらのスケジュール管理をしながら、継続車検をスムーズに行うためにも、早めに業者に依頼をするとよいでしょう。
トレーラーハウス車検の注意点とよくある失敗
トレーラーハウス車検の注意点とよくある失敗は、以下の3つです。
- シャーシや連結装置の点検ポイント
- 改造やサイズ変更時の再車検のリスク
- 車検切れで公道走行をするとどうなるか?
詳しく解説します。
シャーシや連結装置の点検ポイント
トレーラーハウスのシャーシと連結装置の点検は、公道を安全に走行するためにはとても重要です。
台車部分のシャーシと居住部分の上物が分離できる構造のため、シャーシのみの車検を受けることは可能です。
その際居住部分は、専用のジャッキで浮かし、シャーシのみ車検に出します。
車検は1日では終わらないことが多いため、車検期間中も設置した家具などを移動させる手間が省け、仮設置して利用することができるメリットがあります。
点検では、牽引装置の損傷や緩みがないか、ロックピンの状態の確認をします。
また、配線接続、ブレーキやライトの動作確認などをする必要があります。
日常点検も必要ですが、定期的な点検は専門業者に依頼し、適切なメンテナンスを行いましょう。
改造やサイズ変更時の再車検リスク
トレーラーハウスを改造したり、サイズ変更をしたりした後の車検は、大きなリスクが伴います。
道路運送車両法の保安基準第2条に基づき、車幅2,500mm車高3,800mm車長12,000mmを超えない大きさのものが、車検が必要です。
このサイズを超えてしまうトレーラーハウスは、車検は必要ではありませんが、公道を走行するには、許可が必要です。
また走行するには、特殊車両通行許可を取得する必要がでてくるため、手続きに手間がかかります。
改造することによって、サイズ変更や形状が変わった際、構造変更申請が必要になる場合もあります。
そして、改造内容によっては、違法改造とみなされる場合があるため車検は通りません。
車検のリスクがある改造はデメリットでしかない為、改造やサイズ変更がしたい場合は、専門業者に相談しながら慎重に進める必要があります。
車検切れで公道走行するとどうなる?
車検切れで公道を走行すると、道路運送車両法違反で違反点数が加算され、罰金や免許停止処分などの罰則が課せられます。
車検切れでの公道走行は、法律で禁止されています。なぜなら、普通乗用車と同じ扱いだからです。
同時に自賠責保険も切れている可能性がある為、事故を起こしてしまった場合、保険が適応されない可能性もあります。
しかし、車検切れでも車検を通す必要があります。その場合、トレーラーハウスを移動させなければなりません。
車検切れのトレーラーハウスを移動させるには、陸運支局で、臨時運行許可申請を行う必要があります。
仮ナンバーを取得すると、数日間は公道を走行することができますが、使用目的や経路が限定されるため注意する必要があります。
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トレーラーハウスの車検に関することや、費用や頻度について詳しく解説しました。
トレーラーハウスを車検に出す際は牽引免許が必要なので、自分で手続き可能な人は少ないかと思います。
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