【画像で解説】夏涼しく冬暖かい家を作る間取りのアイデア7選


夏は家の中が暑くて、冬は寒くて困っている



どうすれば一年中快適に過ごせる家にできるだろう?
実は、家の間取りを工夫することで、夏涼しく冬暖かい住まいを実現することが可能です。
この記事では、夏涼しく冬暖かい家を作るための間取りのアイデアを7つ紹介します。
間取りの7つのアイデア
- 吹き抜けをやめる
- 窓を小さくする(減らす)
- 土間やめる
- 広い空間を止める
- 部屋と廊下、階段などの境にドアをつける
- スリット階段をやめる
- 家の中を一直線に風が抜ける窓の配置がある(夏涼しい家向け)
これらのアイデアを参考に、快適な住まいを実現しましょう。



間取り図や写真をもとに、これから新築する方でもわかりやすく解説します。


執筆者:たけうち
元金融マンのL.T.ホームズの広報担当です。
趣味はゴルフとアニメ。
宅地建物取引士、FP2級、住宅ローンアドバイザー資格保持者。
夏涼しく冬暖かい家はどう作る?間取りの考え方
夏は涼しく、冬は暖かい家を作るためには、まず間取りの基本的な考え方を理解することが重要です。
特に、日本の四季に対応した快適な住まいを実現するためには、季節ごとの自然環境を考慮に入れた設計が求められます。
例えば、夏場の日差しを遮る工夫として、南向きの大きな窓には深い軒や外付けブラインドを設置することで、日差しをコントロールしつつ自然光を取り入れることができます。



また、冬場の寒さ対策としては、断熱性の高い窓や壁材を使用し、熱を逃がさない工夫が必要です。
風通しの良い配置や断熱性能の高い素材を選ぶことが、年間を通じて快適な住環境を維持するための鍵となります。
夏涼しく冬暖かい家づくりの間取りアイデア7選
季節に応じた快適な住まいを実現するためには、具体的な間取りの工夫が必要です。



気をつけるべきポイントは以下の7つ
- 吹き抜けをやめる
- 窓を小さくする(減らす)
- 土間やめる
- 広い空間を止める
- 部屋と廊下、階段などの境にドアをつける
- スリット階段をやめる
- 家の中を一直線に風が抜ける窓の配置がある(夏涼しい家向け)
吹き抜けやめる
吹き抜けを設けず天井高を抑えることで、家は夏涼しく冬暖かい状態を保ちやすくなります。
暖気は上へ、冷気は下へ流れるため、上下に広い空間があると温度ムラと空調ロスを招くうえ、窓面積が増えて放射冷却や日射侵入も大きくなるからです。
天井高2.4 mのLDK+和室に小型エアコン1台を設置した住まいでは、1月でも床付近20 ℃・天井24 ℃に収まり、月の電気代は約20%削減できました。
さらに吹き抜けを塞いだことで2階ホールの冷房過多も解消し、家族間の温度差ストレスが減ったとの声もあります。



適度な天井高こそ光熱費カットと快適性の最短ルートです。
窓を小さくする(減らす)
南北面の窓を必要最小限のサイズにすることで、年間を通じて室温変動を抑えられます。
窓は壁の約10倍以上の熱を通す弱点で、大き過ぎると夏は日射で室温が上がり、冬は放熱が増えて足元が冷えます。
窓面積を延べ床面積の15%以内に抑えLow-E複層ガラスを採用した住宅では、冷暖房負荷が従来比30%削減されました。
特に西側の大開口は夏の西日で室温を著しく上げるため、外付けブラインドや庇を併用するとより効果的です。



窓は眺望より断熱性能を優先し、小さく賢く配置しましょう。
土間をやめる
土間スペースを設けないことで、床下からの冷えや放熱を防ぎ、冬でも足元が暖かく保てます。
コンクリートは熱容量が大きく外気温に引きずられて室温を奪ううえ、段差解消のため壁や断熱材が途切れやすいからです。
玄関まで床断熱を連続させた住宅では、土間付きプランと比べて1階平均室温が冬季プラス2℃、ヒートポンプ稼働時間が15%短縮しました。
玄関収納を兼ねた断熱スラブ上の床に変更するだけでヒートショックリスクが下がり、朝の靴の冷たさも感じにくくなります。



土間を屋外扱いにしない設計が温熱快適性を高めます。
広い空間を止める(キッチンから風呂場までの動線)
キッチンから浴室までを一体にした大空間は避け、ゾーンごとに仕切ると冷暖房効率が向上します。
調理中の水蒸気や浴室の湿気・熱が家全体に広がると夏は蒸し暑く、冬は乾燥や結露を招き空調負荷が増えるためです。
導線確保のため、キッチン〜お風呂場〜洗面が繋がっている空間設計も多いですが、気温が逃げてしまうのがデメリット。
キッチンと水回りを引き戸で区切り、24時間換気を局所循環に変更した住まいでは、冷房負荷が約18%、暖房負荷が約12%減りました。
水回りを分節することで気圧差換気が効きやすく、屋内の臭気・カビ対策にもつながります。



動線確保と区画化のバランスを取ることが快適温熱環境への近道です。
廊下とリビングなどドアをつける
廊下とリビングの間に気密性の高いドアを設置すると、温度ムラを抑え快適な居住区を作れます。
暖房した空気が廊下や玄関へ逃げると、リビングの温度維持に余分なエネルギーが必要になります。
リビング入口をハイドア+戸当たりパッキンに替えた事例では暖房設定温度を1℃下げられ、年間灯油使用量が約60L削減できました。
ドアクローザーで自動閉鎖を図れば、子どもの開けっぱなし問題も防げます。



開放感のある住宅はオシャレで魅力的ですが、断熱性が下がりやすく暖かさとは両立しにくいため注意です。
スリット階段をやめる
蹴込み板のないスリット階段は採用せず、密閉型階段にすると上下階の温度差を縮められます。
スリットから暖気が2階へ抜け、1階は足元が冷え、2階は過暖房になるという非効率が生じるからです。
木製蹴込み板を追加し階段室にドアを設けた改修後、1階リビングの冬季平均室温がプラス2.5℃、2階寝室がマイナス1.5℃に安定しました。
スリットをふさぐことで階段下収納の温度も安定し、食料品や衣類の保管環境が向上したとの声も。



オシャレさより気密性を重視すると、快適でさらに省エネになります◎
家の中を一直線に風が抜ける窓の配置がある(夏涼しい向け)
夏の通風を最優先するなら、家の短辺を貫く一直線上に対面窓を配置しましょう。
入口と出口を一直線に結ぶことで風速が2倍以上に高まり、体感温度を下げつつ室内の熱や湿気を排出できます。
南北に幅3.6mの対面窓を設け、窓上にビルディングシェードを併用した平屋では、真夏日でもエアコンなしで室温31℃から27℃まで低下しました。
北窓を高窓、南窓を低窓にすると温度成層を抑え、より強い自然換気が期待できます。



冬は窓を閉め気密を確保し、季節で使い分けて快適を守りましょう。
夏涼しく冬暖かい家を作るために知っておくべき間取りのコツ
快適な住まいを実現するためには、間取りの設計段階でいくつかのコツを押さえておくことが大切です。
例えば、各部屋の配置を考える際には、太陽の動きを意識して、日当たりの良い場所にリビングやダイニングを配置することが推奨されます。
これにより、日中の暖かさを効率よく取り入れ、冬場の暖房費を削減することができます。また、玄関や廊下には断熱材をしっかりと使用し、外気の影響を最小限に抑えることが必要です。
さらに、屋根裏や床下の断熱性能を高めることで、夏の熱気や冬の冷気を遮断し、年間を通して室温を快適に保つことができます。
快適な家づくりのために注意すべき間取りのポイント
家を建てる際に注意すべきポイントとして、まず断熱性と気密性のバランスを取ることが挙げられます。
高い断熱性を持つ建材を選ぶことはもちろん、気密性を保ちながら適度な換気を確保することが、健康的で快適な住環境を作るために重要です。また、家の形状や屋根の勾配にも注意を払い、雪や雨水が溜まりにくい設計を心掛けることも必要です。
これにより、建物の耐久性を高め、長期間にわたり快適な住まいを維持することが可能となります。さらに、収納スペースや動線の設計にも配慮し、生活のしやすさを追求することが大切です。
プロが教える!夏涼しく冬暖かい家を実現する間取り設計の実例
実際に夏涼しく冬暖かい家を設計した弊社L .T.ホームズの事例をいくつか紹介します。



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夏涼しく冬暖かい家には自信があります。


こちらの例では南向きのリビングに窓を設置し、夏場には外付けのブラインドで日差しを調整しつつ、冬場には太陽の熱を最大限に利用する工夫が施されています。
また、北側には小さな窓を設け、外気の影響を最小限に抑えるとともに、屋根裏には厚めの断熱材を使用して、室内の温度を安定させています。
南と北に窓を設置(空気が通り抜け、冬暖かい)